<人工授精(AIH)とは>
精液を子宮の中に直接注入する治療です。
体外受精と混同されている方が、かなりいらっしゃいますが、
子宮内に入った精子が卵管内で卵子と自然に受精しますので、妊娠としては自然妊娠と同じです。
<どのような場合に行うか>
普通に性交のタイミングをとってもなかなか妊娠できない場合にこの治療を行うことが多いです。
他に、精子の数がやや少ない場合、運動率が悪い場合、精子が子宮内で死滅してしまう場合などにも行います。
<いつ行うか>
排卵のタイミングに合わせて行います。
排卵日近くに来院してもらい、超音波検査で卵胞(卵子の入った袋)の発育をチェックします。
排卵しそうな大きさになったら、尿の排卵検査薬で排卵のタイミングを調べ、なるべく排卵直前になるように治療日を決めます。
HCGという注射を打って排卵を促して、翌日に人工授精することもできます。
<どのように行うか>
人工授精当日、採取して2時間以内の精液を持参してもらいます。容器はお渡しします。
精液は、なるべく運動している精子を集めるように、洗浄濃縮という処理をします。
この処理により、精子の運動率が上がり、子宮内に注入する液の量を少なくすることができます。
この処理のために、30〜40分くらい時間がかかりますので、その間患者さんは院内でお待ちいただくこともできますし、
一旦院外に出られて、予定時刻に戻っていただくこともできます。
処理した精液(約0.2ml)は細いプラスチックの注射器に入れて、子宮内に注入します。
治療に要する時間は1〜2分程度、痛みはほとんどありません。
<妊娠の可能性はどれくらいいか>
1回の人工授精で妊娠する確率は、当院の成績では、10%弱です。数字からは低いような印象を持たれるかもしれませんが、人工授精を行う人は、過去2年間以上妊娠していない患者さん達ばかりですので、10%近くもの不妊患者さんが、1回の人工授精で妊娠できる、と理解する方が正しいでしょう。何回か人工授精して妊娠に至る確率は、約25%です。つまり、4人にひとりくらいは、人工授精を続けることで妊娠に至ることができるといえます。
<何回くらい行うのか>
人工授精で妊娠できた方のほとんどは、6回目までに妊娠しています。それ以上続けても、妊娠に至る可能性は低いといえます。
このため、5〜6回やってみて妊娠に至らない場合は、ステップアップ(体外受精)を考えた方がよいでしょう。
<費用>
人工授精にかかる費用は、10500円です。